よくある質問・・・・ヘルニアでしょうか?
ヘルニアとは、「脱出」「飛び出る」という意味です。
脳が頭蓋骨から出れば脳ヘルニア
腸が腹から出る脱腸である鼠径(そけい)ヘルニア、臍(さ い, へそです.)ヘルニア
背骨では、背骨の骨の間にある椎間板という軟骨が、
骨のまわりに脱出すれば、 椎間板ヘルニアといいます。
背骨の後ろに脊髄と手足への神経があり、
後ろへ椎間板が脱出したときに、神経を強く圧迫したり,腫れを起こして
手足の痛みしびれや動きが悪くなる運動麻痺が起こることがあります。
そこで腰痛と足のしびれ痛み、頚の痛みと手のしびれ痛みがあると
整形外科医は椎間板ヘルニアという病名をつけることが多いようです。
しかし
老化で, 3-4割の人は椎間板ヘルニアがあります。
しかし痛みやしびれはありません。
椎間板ヘルニアは正常の老化の変化の一つです。
ヘルニアがあるから痛いわけではありません。
手足の神経が一時的な圧迫で腫れる(炎症といいます)だけでも、しびれ痛みが出るので、必ずしも 大きな椎間板ヘルニアがあるとは限りません.
で、私は神経根症という病名を好んでつけています。
腰なら、腰椎神経根症、ヘルニアかどうかは問題としません。
きっと皆さんが心配な、手術が必要な場合とは
一般的には
1. 尿や便が出なくなったり,出続けるようになった時
2. 治療をしても、運動麻痺が進行するとき(進行を止めるため、回復の保証なし)
そして
3. 痛みが強くて耐えられないとき(痛みの感じ方は個人差あり)
1と2は私も同意します。
しかし、3については、私は異論があります。
3は、痛みを治す医師の技術によります。
痛みが強い時、医師が、他の方法がないので手術を勧めてきた時、
その医師に、他の方法がないとおうことです。
他の医師は、別の方法を持っているかもしれません。
医師を選ばないとすぐ手術になってしまいます。
「手術 以外に方法がない」(その医師には)
椎間板ヘルニアは多くの場合、 時間がたつと吸収されます。
自然に治ってきます。
従って,ほとんどの場合、時間をかけられれば手術は不要です。
手術をしたから、もう2度と腰痛が起こらないわけでもありません。(その場しのぎ)
手術には頭痛、痛み、麻痺、感染などの危険性が4-10%あります。
手術は100人に数人だけ必要だといわれています。
私は「絶対」手術が必要な人以外には、手術はお勧めしません。
治療の重要点は
痛みを早く取る治療:飲み薬、注射(神経ブロック)、
リハビリテーション:腰の負担を減らす、からだの使い方の注意と、その実行。予防の体操。
2週で7-8割の人が治り、3ヶ月以内に残りの方のほとんどが治ります。
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