むちうち症、ムチウチ損傷、頚部挫傷、外傷性頚部症候群,頸椎捻挫

交通事故、追突事故にあい、 首や肩、その他の症状がある。

いろいろな所や、人から、いろいろなうわさを聞いて、不安があるのではないでしょうか?。

なかなか治らないとか、何か問題があるから、

むちうち症は、治療法を誤ると、非常に不幸な状態に陥ることがあります。

痛みが取れない、仕事ができない、生活ができない・・・。

治療が長期化して保険会社とのトラブル・・・

私は、むち打ち症が治りにくい原因を理解しています。 不幸になる原因も知っています。

同時に、今一般に多く行われている、ムチウチ症治療の現状に

強い疑問をもっています。

むち打ち症についてネットで質問サイトを調べると、多くの質問と回答があります。

たとえば、「教えて!GOO」から拾ってみると(注:適宜読みやすいように改変しています)

>むちうちは、交通事故直後は何ともなくても、おっしゃるとおり後から症状が出ます。

ですので、交通事故では最も揉める事故です。

確かに、首が折れている訳ではないので見た目には通常の生活が後れている様にも見えるのですが、

そこが厄介な点でして・・・正直、医者でさえはっきり分からないと言うのが医学界の定説です

>むちうちは怖いですよ。私は軽四相手は原付のバイクが後ろからポンと当たっただけ

時速10キロにも満たないほどです。

なのに、2日後からは首筋は痛いわ、頭も頭痛はしだすわで大変でした。

トータルで2ヶ月間はそんな状態でした。

>正直言って鞭打ちはすぐには治りません。

>むち打ちは厄介ですから、完治するとは限りません。

>鞭打ちで症状が残る人は多い。

>鞭打ち症の後はしばしば長期にわたって様々な症状が残ってしまうことがある。

>首の痛みと頭痛、全身の緊張、しびれ、耳閉感、

目の異常(光過敏、疲れやすさ)などに困っています。

>数年前、私も9月に追突されムチウチになり、すぐに治ると思っていたのですが、

段々症状が重くなり、半年後には、耳鳴が出て、

色々とお金と時間をかけて治療していますが現在も完治していません。

もう、ひどくならない様にむちうちと共存していくしかない様です。

>ムチウチ症は、治さなければ一生苦しむそうです。

>本当に鬱病が発症してしまうこともある。

>接骨院はお勧めします。湿布出して終わりの外科よりも早く治ると思います。

>整形外科の良し悪しもあります。

また、このように

残念なことに、整形外科でレントゲンを撮ってもらった後は、 医療類似行為(たとえば接骨院、整骨院)を勧める意見も世間には多く、私達、整形外科医にも問題があることを感じています。

実際、私自身、今までに、事故によって不幸な状態になっている患者さんを目にしてきました。

たとえ、まともな医療機関に通院していても、 診断はともかくとして(骨には異常がない、貼り薬だけ、のことも多いのですが)、私から見ると 不十分な治療により、症状が長引いている場合がかなり多くあるのです。

痛みに悩まされたり、生活や仕事に差支えが続き、仕事ができなくなってしまう人さえいます。

一方、ネットで調べてみて驚くことは、 医師以外の、接骨院、整骨院の宣伝がとても多いことです。

実は、交通事故の治療費は、医師が治療する場合より、何と! 接骨院の方が医療費(値段)が高いのです。

従って、接骨院にとって、交通事故の患者さんの治療は大きな収入源となっています。

また、接骨院を開いているのは柔道整復師ですが、

柔道整復師の数が近年急増していることと、そのための生存競争が起こりつつあることも、 一因になっているかもしれません。

某施術所の治療をみますと

1.遠赤外線など、暖める

2.マッサージ

3.整体や矯正

4.低周波や高周波など電気治療

5.○○テープ

6.カラーやコルセット

7.栄養指導 関節の軟骨を修復・回復させる働きがあります。

という、一見もっともらしいものですが、

私から見ると、実に旧態依然とした治療が並んでいます。

それらが全く役に立たないとはいいませんが、 大きな問題は、柔道整復師の方々は医師でないために

治療手段が限られているので、これでは、むちうち症の、多様な状態に

十分対応できない場合があると思われます。

それゆえ、症状の長期化を招くおそれが強く危惧されます。

ひょっとしたら、症状の長期化で、 治療者の利益と、あなたの慰謝料は増えるかもしれませんが、 本当は不幸なことだと考えます。

痛みは長引くと、さらにとれにくくなってしまいます。

それどころか、施術所の治療には、問題点や、さらに有害な場合もあるのです。

3.の整体や矯正など、「何かをしてくれる」治療は、 頚椎に危険の及ぶ可能性のある治療です。

マッサージでさえ、その危険はあります。

頚椎への徒手操作(マニピュレーション)は

頚椎椎間板ヘルニア、骨折、頚椎の脱臼骨折の危険があると、

アメリカ整形外科学会の本にも書かれています。

Essentials of musculoskeletal care, 2nd ed, AAOS 2001, p547

またマッサージは、

痛みが取れないまま、漫然とした,気持ちは良くなるものの、

そのときだけよくなる、漫然とした治療(?)の依存症になってしまう・・・

そういう場合もよくみられます。

5.○○テープなどは、確かに、何かをしてくれていますが、 固定性はなく、雰囲気のみで、さしたる効果は期待できないと思います。

6のカラーやコルセットは、私は、通常、不要と考えていますし、 固定はむしろ、首の筋肉の力を落とし、回復を妨げるものと思います。

7.栄養指導 関節の軟骨を修復・回復させる働きがあります。については、 現時点ではグルコサミン、コンドロイチン硫酸、コラーゲンなど、軟骨修復効果は疑問視されています。 バランスのよい通常の食事がされれば、それで十分だと考えられます。

ネットでは、そのほか、むちうち損傷について、賠償金を得るノウハウが売られていました。

実は・・・ 私自身も、追突事故にあったことがあります!

私が整形外科医になって4年目のことでした。 右折しようと、信号が変わって、少し前進しかけととき、どかんと、追突されました。

トランクが大きくへこみました。

いちおう、先輩整形外科医の病院を受診し、レントゲンを撮ってもらい、貼り薬をもらいました。

1週ほど首に熱っぽい感じがありましたが、それですみました。

それですんだということが、今、考えれば、非常に幸運でした。

当時は、私自身も、むちうち症についての的確な方針は持っていませんでした。

今の私が行っている対応とは、かなり質的に違っています。

昔の私は、単に幸運だったのだと、今は思っています。

また、今から20年近く前、整形外科専門医資格を取ったばかりの病院勤務医の頃、

若い女性の患者さんで2年近く首の痛みを治せなかったこともありました。

今、振り返っても、その方は、簡単に治せた患者さんではありませんでしたが、

当時の私は、実力不足で申し訳ないことをしたと思っています。

当時の私は、専門医といっても、今の私とは雲泥の知識の差でした。

無知とは恐ろしいものです。

交通事故に遭遇することは大きなストレスだと思います。

自分の大切な車が傷ついたというストレス。

車が使えないストレス。

代わりの車や交通機関を使うストレス。

警察での手続きのストレス。

加害者との交渉のストレス。

保険会社との交渉のストレス。

それだけでも大変です。

むちうち症の方は、さらに自分の体に何らかの症状があり、

その苦痛のストレスがありますから、もっと大変です。

このストレスへの反応に個人差があります。

反応が強く出る方は、治療期間が長くなります。

治療にも工夫が必要です。

事故への怒りや、利害計算、不安も,症状を長引かせる原因となります。

そしてさらに、ムチウチ症の診断治療にも、

いくつかの治りにくくなる罠、落とし穴があり、

さらなる不幸を呼ぶ余地があるのです。

むちうち症についてよく言われる「あとで出る」というのがあります。

怪我による痛みは、だんだん良くなるものです。

ずっとよくて、再び症状が出た場合、その原因は、昔の怪我ではなくて、その症状の直前にあります。

自分の責任を考えず、過去の事件のせいにするのはよくある人間心理です。

急性期には、適切な診断と治療を受けることが絶対必要です。

次に経過に応じた、薬の選択、リハビリテーションの選択が重要です。

受傷後、3ヶ月を過ぎて、なお痛みが続くと、痛みがとれにくくなります。

痛みを慢性化させない、そのための、早めの対処が必要です。

いったん痛みがその状態(慢性疼痛)になったら、

それまでとは別の対応が、追加で必要になってきます。

むちうち症の時の、私自身の整形外科の治療はいろいろありますが、

その中で、早く治すために、最も重要なことは

あなた自身に必要な生活や仕事での,身体の使い方です。

「医療には格差があると感じる。住んでいる場所、 かかった医師で、運命が決まってしまう。」

(朝日新聞 2008.4.29記事より引用)

よい医療機関を選んで早く治しましょう。

松平先生が、最新情報を報告されています。

むちうち関連症候群について

頭痛、背部痛、腰痛、睡眠障害、易疲労性の出現危険度が1.6~3.7倍増加する

恐怖症、抑うつの訴えが増加する

全身知覚過敏や線維筋痛症と関連する

という報告があります。

遅くとも受傷後3日以内に何らかの症状が発現する。

受傷後何ら症状がなく数週間後に始めて発症することはない。

治療に半年以上を要した難治例と3ヶ月以内に治癒した軽症例の比較では

破局的思考、運動恐怖症、高度うつ状態、身体化傾向と難治例に正の相関があり、

難治化の有意な危険因子として

回復への期待度が低い

被害者意識が高い

バレー=ルー様症状

上肢放散痛

腰痛の併存

車体破損

が挙げられています。

自動車の後方追突で多いとされる時速35kmの衝撃は

椅子にドカンとすわる 膝伸展位で10cmジャンプする

と同程度の衝撃だそうです。

ということは、心理的ストレスに伴う脳機能への影響が強いと考えられます。

補償制度の有無が難治・慢性化や保険請求に影響することは明らかです。

急性期の治療原則は

過度の安静をしない 

可動域拡大の運動療法

装具装着は推奨されない

初診時の医師の説明と態度が重要

出典:日整会誌93(3) 2019 S634 松平 浩ら 

以下、私のコメントです。

むちうち関連症候群の症状は

全て,感受性、反応が強いことと関連すると思います。

追突された直後から症状が出る人がいます。

このような方は、過去に肩こり,寝違いを含め、頚部痛を経験された方だと考えています。

すでに潜在的トリガーポイントを持っていて、それが、受傷直後に活性化する。


また、1-2日後から症状を感じる人がいます。

これは,初めての受傷の場合。損傷から炎症が起こってきます。




1-2週で、症状が苦になる場合は、この頃、外傷後の過敏が起こってくるからだと思います。


受傷後1週以内にほとんどの症状が出そろうが、受傷後2週以内も一応、事故と関連ありとして、私は扱っています。

2週を過ぎたら、事故とは無関係の原因と考えます。


不安や恐怖を持つ傾向の人が、悪化、長期化しやすいようです。


被害者意識は、怒りが根底にあり、これが痛みを増すからだと思います。

また、加害者責任への、依存も関連すると思います。


バレー=ルー症状を持つ人は、C3/4/5に問題を持つ人で、

C3/4/5の副神経が特殊な神経であることに関連していると考えます。


車体破損との関連は、外力と関連しますから、当然ですね。


心理的ストレスに対しての、個人の反応性の強さが影響すると思います。

痛みを感じやすいかどうか、怒りや不安が大きいかどうか、

ストレスがすぐ身体に現れ、吐き気や,気分不良、自律神経症状を起こすなど。


現在でも、頸椎カラーが安易に処方されるケースがままあります。

特に、感受性が強く、痛みを強く訴える方に処方されます。

本当に固定が必要かどうかを慎重に見極めないといけません。

事故だからと,特別扱いせず、普通に頚部痛の治療をする必要があります。

むちうち症でお悩みの方に

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